2015年3月4日水曜日

ペンタックス Papilio II 6.5x21レビューその1.ファーストインプレッション


最近、双眼鏡にハマってます。今日はペンタックス Papilio II 6.5x21を買ってしまいました。この2ヶ月間で3台目(笑)

買ったのは Papilio II。新型の「2」の方です。ヨドバシにて¥13,620で本日購入。

発売日は2015年2月13日ということなので、まだ半月しか経っておらず、どこにもレビューや感想が出ていません。というわけで、人柱ファーストインプレッション。

なお、Papilio最大のウリである最短合焦距離については、他のサイトで数多く紹介されているので、ここでは細かい事をメインに。


とにかく全体的にイイカンジです。Papilioの魅力である「軽くて、寄れて、楽しい!」がそのまま受け継がれています。

初代Papilioから良いところを受け継ぎつつも、ゴーストとフレアがかなり抑えこまれていますね。ゴーストが初代Papilioの弱点でしたから、この改善はすごくうれしい!(旧型機と新型機の比較は、また後日)

他の20mmクラス双眼鏡と比べると、ややずんぐりとしたボディ。30mmクラスの小型ダハ機ぐらいのサイズ感でしょうか。開いた手に、全体が乗っかるぐらい。大人の男性ならさほど気にならない大きさです。冬用ジャンパーなら、キツキツですがポケットに入ります。

ただ、女性には「かわいくなーい」と言われちゃいそうなデザインなのが残念。外装が濃灰色のラバーで覆われているので野暮っい。しかし滑りにくく、少々の衝撃なら吸収してくれそう。

重さは290g。ボディの大きさのわりに、軽いです。構えていても、負担に感じません。なお,週刊少年ジャンプの半分以下で、缶ビールやiPad miniより40〜50gぐらい軽く、ソニーのコンデジRX100M3ぐらいの重さ。男性なら、お出かけの際にカバンに放り込んでおける重さでしょう。

ピントリングは、軽く回ってしまいます。個人的には、もうちょいトルク感がつよい方が好き。視度調整も若干回りやすいかも(クリック感あり)。目幅調整の固さは、ニュル〜っとした感触で好き。

接眼部のアイカップは、計3段階の繰り出し式。回転スライドさせると、所定位置でカチカチと止まります。目を近づけすぎると、接眼レンズが体温で曇りがち。

接眼側にはキャップ(蓋)がありますが、対物側にはキャップはありません。ただし、対物レンズを守る保護ガラス(?)が装備されています。

この保護ガラスは、ゴーストの原因のひとつではないかと思っているのですが、レンズ位置補正機構のレールに、ホコリが溜まらないために必要なのでしょう。

アイレリーフが15mmあるので、メガネをつけていてもなんとか見られるかな。アイポイントは寛容な方だと思います。フツーに構えて覗くかぎり、ブラックアウトすることはほとんどありません。

ストラップには工夫が凝らされていて、本体との接続や切り離しがワンタッチで可能です。これは良いですねー。でも、このギミックを使うシチュエーションが想像できない・・・ので、あまりウリにならないかも。

本体が軽いので少し手ブレを起こしやすい気もしますが、倍率は6.5倍なので、手ブレしてもさほど気になりません。とくに双眼鏡に慣れていない人には、ちょうど良いバランスでしょう。

ピントが薄めなのが気になります。中遠景にピントを合わせていても、ピントの薄さは感じます。頻繁にピントを変えそうな用途、例えば鳥見やサッカー観戦などでは、わずかに使いにくそうです。

昼間なら、像は十分に明るいです。夜でも、口径20mmクラスとしては優秀。しかし、ポロプリズムとはいえ、さすがに30mm級ダハ機には少し負けるかなー。まぁ、口径なりの明るさなので、過剰な期待は禁物。

中心像はシャープです。昼間に鳥見する分には、必要十分です。中級機とサイドバイサイドで見比べないかぎり、不満がありません。これは実際に使ってみて、とても満足した点です。

周辺像は、なかなか良くて意外でした。周辺部でピントを合わせてもわずかに崩れてますが、中心部で見ることの多い鳥見では、ほとんど不満を感じません。星見だと、またちょっと違う感想になるかもしれませんが・・・この双眼鏡でそもそも星見しないでしょう。なお、視野円はクッキリしてます。

ただし、口径は21mmしかありませんから、鳥見には分解能が不足しがち。星見には集光力が不足しがち。なので、バリバリのメイン機には位置付けにくいでしょう。

入門用の一台としては、なんとも悩ましい双眼鏡ですね。

軽くて、低倍率で、アイポイントが寛容な方なので、入門機の候補とは言えるでしょう。しかし、ピントが薄くて、こまめなピント調整が必要なのは、初心者にはちょっと煩わしく感じるかもしれません。とくに野鳥観察では煩雑になりそう。

以上のようなことを考えると「何にでも使えそうな入門機が欲しいー」という人には、PapilioIIはオススメしにくいかもしれません。

すぐに物足りなくなって、大きな口径を買い直すハメになるか、「双眼鏡ってこんなものか・・・」とお蔵入りしてしまうかもしれませんから。そうなる前に、美術館、博物館、寺社仏閣に持って行って「あの興奮」を味わえるかどうか。そこが最大のポイントでしょうか。

最後はちょっと厳しめな書き方になっちゃいましたが、本当はとても気に入ってます! 水族館で最短合焦距離で観たらどんな迫力なのか? それを想像すると今からワクワクです!

間近なものを見たときの「ワオ!体験」なら、PapilioIIがベストな双眼鏡であることは間違いありません。二台目以降にオンリーワンな双眼鏡をお探しなら、めちゃくちゃオススメできそうです!さっそく明日から使い込みます!

【関連】Papilio II 6.5x21レビューその2.旧型と新型の違い