2014年2月2日日曜日

フジX-T1ファーストインプレッション。そして買うのはやめた。

土曜にX-T1のトークショーのために,東京ミッドタウンのフジフィルムまで行ってきました。



もちろんX-T1をイジり倒してきましたよ。参加者のみなさんが帰られて,ショウルームが空いてから,じっくり触ってみました。

そして,X-T1を買うのは,やめました。

予約寸前まで気持ちが高まっていたので,残念ではあります。でも,実際に触りまくってみたうえでの判断なので,納得感はあります。

買うのをやめることにした,決定打となった理由を書きます。その理由は,大きく3つです。


X-T1を買わないと決めた一つ目の理由


背面のセレクター/ファンクションボタン。いわゆる上下左右ボタンですが,これがとても押しづらい!

まず,セレクター/ファンクションボタンのでっぱりが薄すぎ。ファインダーを覗きながら,親指でさぐっても,目的のボタンを探せません。下ボタンを押したかったのに他のボタンを押してしまうことが,5割近い頻度で起きました。

また,セレクター/ファンクションボタンを押したときのストロークが短く,クリック感もほとんど無いため,押したときの手応えがありません。自分では押したつもりなのに,実は押せていなかったことがたびたび。ファインダーから目を離して,いちいち目で確認しながら押すことが,何度も起こりました。

でもこのストロークの短さは,防塵防滴を実現するためなのかもしれませんね。

この写真で,でっぱりの薄さが分かるでしょうか?ストロークもかなり短いです。


そして,ファインダーを左目で覗きながらセレクター/ファンクションボタンを押そうとすると,親指が自分の鼻に当たるっ!

僕の手は平均よりも小さいはずですが,それでも当たってしまうぐらいです。ファインダーがセンターにあることで,鼻と親指が当たりやすくなってしまったのでしょう。X-E2やX-Pro1等で同じ操作を行っても,指が鼻に当たりませんからね。

AFポイントの移動や,MF中の拡大ポイントの移動は,背面のセレクター/ファンクションボタンで行います。僕の使い方としては,けっこうな頻度で使うんですよね。

「慣れれば,なんとかなるかなぁ」と思って10分ぐらい触り続けてみましたが,意識して触っても,ぜんぜん慣れなかったです。使い続けるうちに慣れそうとも思えませんでした。

とくに冬場で,防寒グローブを付けながらの操作だと,正確にボタンを押せる自信がまったく無い。。。

XT-1を使った後に,X-E2を持って同様の操作を行うと,まるで天国のよう・・・。それぐらいセレクター/ファンクションボタンには不満を覚えました。


X-T1を買うのをやめた二つ目の理由


シャッタースピードダイヤルについて,某匿名掲示板では以下のような煽りが書いてあります。
・SSダイヤルに1/3stepが無いからダメ
 結局電子ダイヤル操作になりSSダイヤルが無意味だからダメ! 
X-T1を実際に触ってみるまでは,この件は楽観的に考えてました。でも,実際に使ってみると,ホントこの通り。好きになったカメラを批判されるのは悔しいですけど,同意せざるを得ません。

実際に電子ダイヤルで事足りますし,ファインダーを覗きながらも操作しやすい電子ダイヤルの方が,むしろ便利です

「軍艦部を見るだけで設定が把握できるのがメリット」という意見もあります。しかし,70DやD7100やK-3なども右肩の液晶で確認できますから,Xシリーズならではのメリットとまでは言い切れません。

このメカ感溢れる佇まい。すっごくカッコイイんだけどなぁー。


X-T1を買うのをやめた三つ目の理由


絞り優先 & シャッタースピード優先 & ISOだけオートだったときに,右肩の露出補正ダイヤルが効かない事。

絞りとSSが優先でISOがオート,つまりペンタックスで云うところのTAvモード。カメラがISOを自動的に変えてくれて,常に適正露出に合わせてくれるのが最大のメリットです。しかし,常に適正露出だからこそ,ちょっとだけ明るさを変えたいときが不便です。そんなときに,露出補正ダイヤルで明るさを(ISOを)調整できると,すごく便利なのです。

この機能はα7やRX10では可能なので,実現不可能ということはないはず。他機種で出来ていることがX-T1では出来ないからこそ,不満なのです。せっかく露出補正ダイヤルが無効になっていしまうからこそ,不満なのです。

セレクター/ファンクションボタンの押しにくさや,シャッタースピードダイヤルの物足りなさは,機械部品の問題なので,ファームウェアで解消しません。つまり,X-T1を使い続けるかぎり,常について回る問題です。それはツライなぁ・・・。

一方,露出補正ダイヤルの件だけは,ファームウェアで対応できそうだけど,X-E2やX100Sでもこの件は不可なので,あまり期待できそうにありませんね。


以上が,X-T1を買うのをやめた大きな理由です。

もちろんその他にもいろんな理由があったりします。ISO200やSS1/4000秒とか・・・。そういや,フルタイムマニュアルフォーカスができないのも,すごく残念。MF時にAF-Lボタンでオートフォーカスしてくれるのが,せめてもの救いですが。

また,社員さんがちらりと漏らしていた話ですが,X-T1の開発期間はなかなかタイトだったそうです。ブラッシュアップ期間が充分ではなかったのかもしれませんね。

操作感の良さは,E-M1やK-3の方がまだまだ一枚上手でしょう。操作性に期待して購入を検討されている方は,ぜひ一度は店頭で触ってみることを,強くオススメします。

さて。

いろいろと不満を書いてしまいましたが,しっかり触ってみて,X-T1はとても魅力あるカメラだということも,同時に確認できました。レンズの重さも含めたシステム全体の取り回しも快適です。言い方を変えれば,上記のような不満がなければ,間違いなく買ってました。

防塵防滴レンズがまだ発売されていない事。X-E2ではX-E1の不満がかなり改善されていた事。こうした事を考慮すると,X-T1は見送って,さらに操作性が磨かれたX-T2を待ちたいと思います。

せっかく素晴らしいEVFが搭載されているのですから,X-T2では「ファインダーを覗きながらも快適な操作」というレベルまで昇華させて欲しいと思います!

でも,ボディが8万円ぐらいまで下がったら,不満には目をつむって買っちゃうかも。。。